バブルの崩壊以降、失われた10年の陰に隠れて、特に医師の不足問題をはじめとする医療問題は表立って議論されることは余りありませんでした。さらにリーマンショックによる世的大不況が追い討ちをかける現在、政府は国民医療費の伸びをなんとしても抑制したい。そのための諸策を次々に打ち出しています。これと平行して医師数も現状維持との思惑を見せていました。 しかし、医師不足問題に対するマスコミの追求が激化する中、政府も重い腰を挙げ、方針転換の必要性を認めつつあります。 客観的に見れば、日本の人口1000人あたりの医師数は、OECD加盟国の平均値以下、すなわち30か国中の27位(韓国は29位)であり、やはり絶対数が不足していると考えてよいでしょう。 2004年から全国で新たに始まった新臨床研修制度が原因で、従来機能していた医師派遣(教授の指示で医師が医局から地方や僻地に派遣される制度)が消滅し、医師不足問題に拍車をかけたとの見方もあります。 いずれにしても医師増員の恩恵が受けられるようになるまで最低でも10年の年月は必要とされています。限られた医師数の中で、全国の医療機関はどのように各診療科に必要な人員を確保するかが課題となっており、女医への支援策や残業を無くすための施策を導入するなどしてアピールに務めています。
by doctor_job
| 2011-09-09 21:05
| 医療関連のメモ
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